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  1. 血液ガス分析装置の臨床条件ので評価.前向き多施設協同研究の結果
  2. オプトードによる血液ガスモニタ−の臨床評価
  3. 動脈内酸素モニタ−による静脈空気塞栓の検出
  4. 動脈内血液ガスモニタ−システムをイヌとヒトで評価
  5. 体外循環と低体温下でのオプトードによる血液ガスの連続測定センサーの評価
  6. 片肺挿管の検出にどの酸素モニタ−が有効か
  7. 新しい動脈内血液ガスモニタ−システムの評価
  8. 体外循環後の低体温や過換気でエンフルレンMACは影響をうけるか
  9. 腎静脈血Po2,腎表面Po2,尿Po2 の比較
  10. 血液ガス解析装置で測定するナトリウム,カリウム,ヘモグロビンは採血法でどう影響を受けるか

1.日本語タイトル:血液ガス分析装置の臨床条件ので評価.前向き多施設協同研究の結果

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ,年:
Clinical performance of a blood gas monitor: A prospective, multicentertrial. Shapiro BA, Mahutte CK, Cane RD, Gilmour IJ. Crit Care Med. 21(4):487-494,1993.
施設:Long Beach Veterans Admin. Hospital, 5901 E. Seventh Street,Long Beach, CA 90822, United States

[目的]蛍光式光電極を動脈内に挿入してpH,Pao2,Paco2を連続測定できる.連続測定であり,動脈血液サンプルは不要だが,額面通りの狙いが達成できるか,特に臨床条件で検討する.
[背景]言うまでもない.
[研究の場]本法による血液ガスモニタ−値を,通常法の血液ガス測定値と比較する.あらかじめプロトコールを決めた“前向き”の多施設共同研究である.4つの大学附属病院ICUが参加した.患者のスペクトラム,血液ガス測定のルーチン,測定装置などは各々異なる.
[対象]ICU患者117例で計測した.あらかじめ動脈カテーテルが挿入してあって,1〜2日程度は頻回の血液ガス測定が必要と予測される患者を対象とした.この研究のための特別な処置はしなかった.
[使用薬物と機器]
[測定項目]pH,Pao2,Paco2
[方法]患者117例から,総数1341個の血液サンプルをとって比較した.最短1日,最長4日にわたっている.
[結果]
1)測定値の範囲はpHで7.14〜7.64,Pao2で38〜413mmHg,Paco2で19〜98mmHgであった.オプトード値を通常の電極の値と比較した場合の相関係数は寄与率r2で,pHが0.85,Pao2が0.94,Paco2が0.92であった.
2)偏りはpHでー.004,Pao2でー2.2mmHg,Paco2で+2.4mmHgであった.
3)装置としての安定性,測定値の安定性,測定の精度と正確さなどは,いずれも通常の血液ガス分析装置に匹敵する.なかなか堅牢で,ICUで乱暴に使用しても大丈夫だった.
4)測定時間は最長80時間に及んだ.
5)オプトードを挿入してもカテーテルの機能が障害されたり寿命が短縮されることはなかった.
[結論]本研究の結果より,この血液ガスモニタ−システムは,従来の血液ガス分析にとってかわりうるものと結論する.
[抄者註]最後の結論は拙速と思う.そうかもしれないが,現時点では費用や堅牢性,そもそもそうしたモニタ−が必要で,これだけのC/Pが要求されるのかという点を評価しないと,“代わりうる”と“結論”はできない.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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2.日本語タイトル:オプトードによる血液ガスモニタ−の臨床評価

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ,年:
Clinical evaluation - Contineous real-time intra-arterial blood gasmonitoring during anesthesia and surgery by fiber optic sensor. Smith BE, King PH, Schlain L. Int J Clin Monit Comput. 9(1):45-52,1992.
施設:Department of Anesthesiology, Vanderbilt University Medical Center,Vanderbilt Clinic, Nashville, TN 37232-2125, United States

[目的]オプトード型の血液ガスモニタ−装置を臨床条件で評価する.
[背景]オプトードが大流行である.誰もが“一口乗りたい”と思っているのかも.
[研究の場]手術室
[対象]5例の手術患者の麻酔中に計測.
[使用機器]機器は,Optex BioSentry registered System, Optex Biomedical, Incorporated, The Woodlands, Texas, U.S.A.のもの.臨床条件での使い勝手,使用の方法,耐用性,正確度,合併症の可能性などを検討した.このシステムは,蛍光発色とその化学分析の装置を先端にもち,3本の光ファイバーで外に導き,外部機器で読み取るという3つのコンポーネントからできている.
[測定項目]pH,Pao2,Paco2
[方法]オプトードの記録とサンプルによる分析値とを比較する.
[結果]
1)5例中4例で,三つのパラメ−タ−が連続的に計測できた.
2)のこる1例は挿入時にオプトードが損傷を受けて,モニタ−はまったくできなかった.
3)合併症のなかった患者3例では,このオプトード連続モニタ−の数値と通常の血液ガス分析値との相関は良好であった.偏りと精度は,pHでー0.0183,0.0237,Pao2でー5.9,11.7mmHg,Paco2で3.2,2.0mmHgであった.
4)残る1例では,術後になっておおきな差が発生した.オプトードのオフセット値があやまっていたのかもしれない.
[結論]結局正確に測定できたのは5例中3例である.非常に良好とはいえない.したがって,有用性のも疑問がある.
[抄者註]新しい装置ができると“大変に良好”“有用性が大きい”という発表が多い.批判が出てくるのは少し後である.その意味で,この論文には好感を持つが,製作者側がどう応えるだろうか.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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3.日本語タイトル:動脈内酸素モニタ−による静脈空気塞栓の検出

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ, 年:Detection of venous air embolism by continuous intraarterial oxygenmonitoring. Greenblott G, Barker SJ, Tremper KK, Gerschultz S, Gehr ich JL. J Clin Monit. 6(1):53-56, 1990
施設:Dept of Anesthesiology, University of California, Irvine MedicalCenter, 101 City Dr S, Route 81A, Orange, CA 92668, USA

[目的]オプトードの使用中に発生した空気塞栓が,そのおかげで検出できたことを報告する.症例報告である.
[背景]動脈内にオプトードを挿入して血液ガスの連続モニタ−を試みる方法が開発され,臨床テストがはじまっている.測定値の正確さや装置の安定性も大切だが,この論文ではこのモニタ−のお蔭で検出できた合併症のことを述べて,有用性をその面から強調している.
[研究の場]手術室での症例の報告
[使用機器]オプトードによる血液ガスモニタ−
[測定項目]血液ガス
[方法]最近,光ファイバーを使用したオプトードによる動脈血血液ガスモニタ−の装置を入手して,pH・Pao2・Paco2の三者を連続モニタ−し,それをオフラインの計測値と比較するという研究を開始した.この研究対象となった患者の1例に,アーノルド=キアリ奇形1型で,第4脳室の流出路の閉塞があって,手術を受けた.
[結果]
1)この患者を,伏臥位で後頭下開頭+頚部脊椎版除去中に,大量の空気塞栓が発生した.
2)手術開始から約3時間の時点で,それまでPao2が225mmHg程度で安定していたが,約10分の間に急速に低下して63mmHgになった.
3)同じ10分間に,Paco2が上昇しPETco2が低下して,aーADco2が著増した.少し遅れて,経皮Po2が低下した.
4)それからFIo2を1.0に切り替えたが,約20分の経過で上記の血液ガス値はだいたい元の数値に回復した.
5)他に合併症は何も起こらなかった.
6)肺の空気塞栓が発生した時に,Pao2を連続測定していたというのは,これがはじめてである.
[結論]オプトードによる血液ガス連続測定は,肺の空気塞栓の検出にも非常に有用である.もっとも,それが検出モニタ−として確立するにはまだいろいろの改良の余地が残されている.
[抄者註]Pao2に関するデータだけなら,パルスオキシメーターでも類似のデータも得られたかもしれないが,それにしても事実の重みは大きい.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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4.日本語タイトル:動脈内血液ガスモニタ−システムをイヌとヒトで評価

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ,年:
Preliminary evaluation of an intra-arterial blood gas system in dogsand humans. Shapiro BA, Cane RD, Chomka CM, Bandala LE, Peruzzi WT. Crit Care Med. 17(5):455-460, 1989
施設:Division of Respiratory/Critical Care Medicine, Department ofAnesthesia, Northwestern University Medical School, Chicago, IL 60611,United States.

[目的]蛍光法によるオプトードを利用した動脈内血液ガスモニタ−システムを評価する.
[背景]これもまた新しい装置の“評価”
[研究の場]動物実験室とICU
[対象]イヌとヒト
[使用機器]オプトードによる血液ガス測定装置
[測定項目]pH,Pao2,Paco2.動脈内オプトードによる値と,オフラインサンプルによる測定の比較.
[方法]イヌでは663サンプルを解析して,これをオプトードの数値と比較した.一方,オプトードの値は他に安定性を検討した.
[結果]
1)イヌでオプトードの値が安定していたのは,pHで420サンプル,Pao2で256サンプル,Paco2で359サンプルであった.
2)オプトード値とオフライン値の比較では,相関係数でpHが0.97,Pao2で0.96,Paco2で0.95であった.
3)両者間の差の平均値は,pHでー0.02,Pao2でー17,Paco2が3.8であった.
4)条件が変わったりして非定常的になった場合も,その経過がオプトードで正確に把握できた.
5)12例の重症患者で,79サンプルを解析して,これをオプトードの数値と比較した.相関係数でpHが0.97,Pao2で0.99,Paco2で0.96であった.
6)両者間の差の平均値は,pHでー0.002,Pao2でー9,Paco2が3であった
[結論]オプトードによる血液ガスモニタ−システムで,重症患者の血液ガスの連続モニタ−が可能である.適用可能な期間は3時間〜25時間である.動脈圧測定と血液サンプル採取に障害はない.
オプトードの測定値とオフライン値を比較すると,pHとPaco2に関しては臨床許容範囲であるが,Pao2の数値は正確さが不足しており,もう少し改善が必要である.
ICU患者では血液ガスが変動することがある.それがこのシステムでは見事に検出できる.その際の応答と時間の遅れは良好で,従来の手法に比較すれば,この点は大きな進歩である.
[抄者註]真面目な研究ではあるけれど.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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5.日本語タイトル:体外循環と低体温下でのオプトードによる血液ガスの連続測定センサーの評価

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ,年:
Evaluation of the Gas-STAT registered fluorescence sensors for continuous measurement of pH, pCO-2 and pO-2 during cardiopulmonary bypass and hypothermia. Siggaard Andersen O, Gothgen IH, Wimberley PD, Rasmussen JP, FoghAndersen N. Scand J Clin Lab Invest. 48(SUPPL.):189 (77-84,1988.
施設:Department of Clinical Chemistry, Herlev Hospital, DK-2730 Herlev,Denmark.

[目的]オプトードを動脈に入れて血液ガスを連続モニタ−する装置の商品化版の性能を,オフラインにサンプルして計測した数値と比較検討する.
[背景]オプトードの開発によって,体外循環時の血液ガス連続モニタ−が可能になった.
[研究の場]手術室
[対象]CABGの手術で低体温で,血液希釈法の下に体外循環を受ける患者10例.
[使用薬物と機器]オプトードのシステムはアメリカベントリーのGas-STAT機,通常型の血液ガス測定器はラジオメーターのBMS-3である.
[測定項目]pH,Pao2,Paco2
[方法]オプトードは,体外循環回路の血液ガスを実際の温度で測定する.比較に使用したオフライン装置は25℃と37℃の二つに設定し,実体温での値は両者の内挿によって計算した.
動脈血と静脈血の双方をオプトードでモニタ−し,同時に6〜9回サンプルした.合計136サンプルの総合成績である.
[結果]
1)オプトードの成績は分散が大きかった.一部はオプトード一個でも性能が安定しなかったことにより,一部はオプトード間での性能が安定しなかったことによる.さらに,オプトードではメモリ効果が大きく,測定開始時点の数値の信頼度が低かった.
2)信頼度が低い最初の数値を統計から除いて,標準偏差をオプトード一個とオプトードオプトード間でみると,pHで0.018と0.03,LogPo2で0.041と0.006,LogPco2で0.026と0.034であった.
3)オプトード値とオフライン値の間の偏りはpHで+0.017であり,Po2とPco2では検出できなかった.
4)較正直線の勾配は,pHは0.87,Po2は1.08,Pco2は0.85で,いずれも45度の線とは有意に異なっていた.
[結論]オプトード法の較正は改良が必要である.現在の方法よりも確実なpH較正液をつかったり,Pco2とPo2はガスを使うことも考えられよう.Po2の較正はもっと幅をひろくとるべきで,現在供給されているものは近接し過ぎる.三つの電極がすべてメモリ効果が強く,体外循環開始後に数値が真値に近づくのにかなりの時間を要した.この時間は短縮が必要である.そうした改善ができれば,オプトード法は体外循環時の血液ガスモニタ−として有用となろう.
[抄者註]血液ガス測定器としてラジオメーターのBMS-3を使用していることに驚いた.1970年頃の手動式の製品である.もちろん全自動ではなく,コンピュ−タも組み込まれていない.全面的にアナログの回路で,最後の表示だけがディジタルである.もっとも,こういう装置は原理がわかっていればいろいろと手を加えるのはかえって容易だろう.“二つの温度で較正”という条件のために,古い物を持ち出したのかもしれない.“Po2の較正はもっと幅をひろくとるべきで”,というのはいいが,“たとえば2and50kPa(15mmHgと750mmHg)”と書いてあるのはおかしい.上側の値が実用範囲を大きく越えているからである.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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6.日本語タイトル:片肺挿管の検出にどの酸素モニタ−が有効か

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ,年:
Comparison of three oxygen monitors in detecting endobronchialintubation. Barker SJ, Tremper KK, Hyatt J, Heitzmann H.J Clin Monit.4(4):240-243, 1988
施設:Department of Anesthesiology, University of California, Irvine Medical Center, Orange, CA 92668, United States.

[目的]術中酸素モニタ−の三つの方法として,パルスオキシメーター,経皮Po2,オプトードによるPao2 の連続モニタ−の三者を比較検討する.
[背景]片肺挿管の検出は,いろいろな方法があるが,酸素モニタ−も有用である.酸素モニタ−の使いみちの一つがこの点にあるといってもいい.
[研究の場]動物実験室
[対象]イヌ
[使用機器]三種類の酸素モニタ−法
[測定項目]パルスオキシメーターによるSao2,tcPo2,オプトードによるPao2.
[方法]イヌ4頭を麻酔挿管し,上記3法のモニタ−を装着する.他に,動脈と中心静脈にカテーテルを挿入する.気管内チュ−ブを進めて,右主気管支に入れて,酸素モニタ−値の変化を20分間観察する.FIo2をいろいろにかえて,同じ実験を反復する.
[結果]
1)パルスオキシメーターの変化が一番鈍かった.Sao2低下は,FIo21で1.3%,FIo20.5で4%であった.
2)tcPao2は42%〜64%,オプトードPao2 は64%〜79%低下した.
3)FIo2の低い条件では,Sao2の低下がはっきりしていた.FIo20.3では6%,FIo20.2では10%低下した.
4)tcPao2とオプトードPao2の低下は各々31%と45%であった.
5)FIo2>0.3の条件では,片肺挿管でもSao2の低下は小さい.パルスオキシメーターでは片肺挿管が検出できない可能性がある.
6)tcPao2は片肺挿管で必ず低下した.
[結論]片肺挿管で酸素モニタ−の値が一番しっかり低下してのは,いつもオプトードPao2であった.
[抄者註]こういうのは一番馬鹿げた研究だと考える.理由は,
1)こんなことは,実験する迄もなく予測できる.
2)Sao2の数値変化が小さいのは当たり前だが,それでも数値そのものの信頼度が高いからわずかな低下でも“何かおかしいぞ”と気がつく.99%から96%に低下したら,数値は3%の低下でも“片肺挿管?”と疑うだろう.
3)費用や手順の面倒さの問題を無視している.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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7.日本語タイトル:新しい動脈内血液ガスモニタ−システムの評価

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ, 年:Initial evaluation of a new intra-arterial blood gas system in humans.Zimmerman JL, Dellinger RP. Crit Care Med. 21(4):495-500, 1993
施設:Ben Taub General Hospital, 1504 Taub Loop, Houston, TX 77030,United States.

[目的]新しい動脈内血液ガス連続モニタ−システムを,オフラインの血液サンプルによる血液ガス測定と比較する.
[背景]新しいオプトードによる測定を評価する.
[研究の場]郡立の教育病院の内科系ICU
[対象]重症患者5例,条件にあった患者を連続で抽出した.
[使用機器]橈骨動脈に20#のカテーテルを入れて,ここにオプトードを挿入する.オフラインの血液ガス装置は2機種使用して検査した.
[測定項目]pH,Pao2,Paco2.
[方法]測定は最長68時間までである.
[結果]
1)血液サンプルは104回測定した.偏りと分散は,pHでー0.021と0.04,Pao2でー5.9と13mmHg,Paco2で1.7と6mmHgであった.
2)一方,血液ガス測定装置2機同士の偏りと分散は,pHでー0.03と0.01,Pao2でー5.8と17mmHg,Paco2で2.0と2.6mmHgであった.
3)オプトード使用による合併症はなかった.
[結論]光ファイバーによる動脈内血液ガスモニタ−システムの性能は従来の血液ガス分析装置に少なくとも匹敵する.また,他の種類のオンライン装置と比較すれば良好である.しかもこのモニタ−を使用しても患者に障害をもたらすことはなかった.この研究は一応の試験的なものであるが,もっと多数の症例をあつめプランもしっかりした本格的な研究が必要である.
[抄者註]
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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8.日本語タイトル:体外循環後の低体温や過換気でエンフルレンMACは影響をうけるか

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ, 年:Does hypothermia or hyperventilation affect enflurane MAC reductionfollowing partial cardiopulmonary bypass in dogs?. Doak GJ, Li G, Hall RI, Sullivan JA. Can J Anaesth. 40(2):176-182, 1993
施設:Department of Anaesthesa, Victoria General Hospital, 1278 Tower Road, Halifax, NS B3H 2Y9, Canada

[目的]体外循環中の全身低体温や低二酸化炭素血症にすることが,体外循環後のエンフルレンMACに影響するかどうか.
[背景]なかなか面白いテーマ設定である.
[研究の場]研究室
[対象]イヌ12頭
[使用薬物と機器]エンフルレン,Puritan-Bennett社の麻酔ガスモニタ−装置
[測定項目]呼気終末エンフルレン濃度.尾をクランプしてMACを決める.
[方法]イヌをエンフルレン+酸素で2回麻酔する.1時間の間隔をおいてMACを2回決める(MAC1とMAC2).大腿動静脈からカニュレーションして体外循環を一時間維持した.体外循環が完了してから,1時間の間隔をおいてMACを2回決める(MAC3とMAC4).なお,体外循環中のPaco2の正常な群(39mmHg)と低い群(18mmHg)に乱数的にわりつけた.各イヌを第1回の実験では常温(35ー37℃)に維持し,第2回の実験では低体温(30℃)にした.二つの実験の間には最低2週間あけた.
[解析]反復ANOVAを使用.
[結果]
1)MAC1やMAC2(ほぼ2.1%)と比較すると,体外循環後のMAC3(1.95%)で,有意に低かった.
2)多変量解析では,低体温と低Paco2は,MACの低下に独立の影響は検出できなかった.
3)第1回の実験と第2回の実験とは,MACに差はなかった.
[結論]体外循環でエンフルレンMACは低下する.しかし,低体温と低Paco2はMACに影響しない.
[抄者註]差が案外小さいのに驚いた.私の年代のものは体外循環装置の性能が悪かった時代の印象が強いので,障害がもっと強かったのかもしれない.実験はたいへんだが,“影響しない”と結論するには例数が少なすぎないだろうか.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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9.日本語タイトル:腎静脈血Po2,腎表面Po2,尿Po2 の比較.

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ,年:
Changes in renal vein, renal surface, and urine oxygen tension during hypoxia in pigs. Wong DH, Weir PD, Wesley RC, Gordon IL, Weber EC, Zaccari J, Ferraro LM, Tremper KK. J Clin Monit. 9(1):1-4, 1993 .
施設:Long Beach Veterans, Administration Medical Center, Department of Anesthesia (139), 5901 E Seventh St, Long Beach, CA 90822, United States.

[目的]腎の酸素のパラメ−タ−を,尿Po2を測定してモニタ−することが可能か否かを検討する.
[背景]腎血流や腎組織の酸素化状態を検出するモニタ−はない.腎静脈Po2や腎組織Po2が測定したいが,これは臨床条件では不可能であり,実験でも容易ではない.尿のPo2は測定が可能だが,それがこうした情報をもっているか否かは論議のあるところである.
[研究の場]動物実験室
[対象]8頭のブタ
[使用機器]Po2測定装置
[測定項目]Pao2 ,腎静脈Po2(Prvo2),腎表面Po2(Prso2),尿Po2の4項目を測定.
[方法]FIo2を0.21から0.12まで3%間隔でいろいろに低下させた.FIo2は0.21,0.18,0.15,0.12の4種類で,低下の組み合わせは6種類である.その際の上記項目の変化を測定検討する.腎血流を超音波法で測定する.腎酸素消費量(血流×動静脈含量較差),心拍出量などを同時に計測する.
[解析]Pao2,腎静脈Po2,腎表面Po2,尿Po2の4項目のFIo2低下による変動を分散分析によって検討した.尿Po2と他の酸素パラメ−タ−の関係は回帰分析と相関係数で評価した.
[結果]
1)腎血流,腎酸素消費量,心拍出量はFIo2の変化で不変であった.
2)6種類のFIo2低下をすべて検出できたのは腎静脈Po2だけである.
3)尿Po2は,FIo2が6%以上低下した場合に検出できた.
4)尿Po2は全身のハイポキセミアの検出法としては鈍い.
5)腎血流と腎酸素消費量の維持できている条件では,尿Po2と腎静脈Po2との関係は相関係数で0.8程度,回帰直線の勾配も0.8程度である.
[結論]尿Po2をモニタ−しても,腎の酸素のパラメ−タ−の情報を検出することは限界がある.
[抄者註]
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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10.日本語タイトル:血液ガス解析装置で測定するナトリウム,カリウム,ヘモグロビンは採血法でどう影響を受けるか

原語タイトル,著者,雑誌名,巻,初めと終わりのページ,年:
Influence of samples technique on sodium, potassium and haemoglobinblood concentrations measured with a bedside blood gas analyser.Lagier P, Vialet R, Leger E, Lemaire P, Granthil C.ANN FRANESTH REANIM. 11:430-435. 1992.
施設: Departement d'Anesthesie-Reanimation, CHU-Nord, 13326 MarseilleCedex 15, France.

[目的]血液ガス解析装置で測定するナトリウム,カリウム,ヘモグロビンは採血法でどう影響を受けるかをベッドサイドの装置(コーニング288)と中央検査室の装置とで比較する.
[背景]最近,使い捨てのキットを多用した簡易型小型の血液ガス装置が普及してきている.血液ガスの測定はある程度の信頼性はあるが,附属する電解質とヘモグロビンの測定精度に着目している.
[研究の場]ICU
[対象]ICUの患者の血液サンプル
[使用機器]コーニング288型ベッドサイド血液ガス分析装置,コーニングとラジオメーターの毛細管ガラスサンプラー,テルモとシャーウッドとコーニング288のヘパリン化注射器,通常型の注射器にヘパリンを加えたもの
[測定項目]血清のナトリウムとカリウム,それに血液ヘモグロビン
[方法]ICU患者40人から上記各種の毛細管や注射器でサンプルして,それをベッドサイドの装置で分析し中央検査室の装置の値を比較した.
[解析]
[結果]
1)ベッドサイド装置では,コーニングとラジオメーターとテルモの注射器と通常型の注射器でヘモグロビン値が低く出た.
2)差の大きさはヘモグロビン濃度に依存したが,全体として不正確で,差が1gを越えたものが38〜55%,差が2gを越えたものが13〜25%あった.
3)毛細管サンプラーとシャーウッドの注射器は成績がよくて,差が1gを越えたものが13〜20%であった.差が2gを越えたものは0〜2%しかなかった.
4)毛細管サンプラーとシャーウッドの注射器を比較すると,前者は値が高く出て後者は値が低く出る傾向があった.
5)ナトリウムとカリウムの測定では,サンプリング装置の差による影響は明確でなかった.
[結論]簡易型ベッドサイド血液ガス分析装置の値も,上手に使えばパラメ−タ−によっては信頼できる.
[抄者註]これだけしっかり検討して,欠点も明らかにしてくれると有用な情報である.
抄録者:[諏訪邦夫](MW)

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